フードロス削減の取り組み
4月に入って連日暖かい日が続いており、過ごしやすい毎日です。
新しい年度が始まり、外でスーツ姿の初々しい新入生を見かけると、街全体に新たな活気が生まれているのを感じます。
さらに、私どもが住む関西では、関西万博に向け、地域全体が活気づいているのも感じています。
その関西万博ですが、大阪市は、SDGsの達成に向けた取り組みを加速化させることを目標としているようで、特に最近は、テレビやSNSなどで「SDGs」や「サステナブル」というワードを耳にする機会が非常に多くなりました。
食の分野においては、地球環境に配慮した持続可能な消費への関心が高まっており、その中で フードロス削減 は一番のテーマといえるのではないでしょうか。
そこで、フードロス削減の取り組みについてのトレンドワードなどをピックアップしてみました。
また、小さいながらも個人や家庭でもフードロス削減のためにできることも取り上げています。
・AIを活用した需要の予測
レストランや小売店などでは、AIを活用して需要を予測し、過剰な食材の発注を防ぐ取り組みが広がっています。
・リジェネラティブ農業
「環境再生型農業」で、土壌の生態系を回復させながら作物を育てる農業を意味します。
土壌の健康が改善されることで、化学肥料への依存度が減り、持続的な農業生産が可能になります。
リジェネラティブは、農業だけでなく、酪農・漁業でも取り組まれています。
・ガストロノミー
食文化、食材、調理法、歴史、科学、社会など、食を取り巻くあらゆる要素を総合的に探求し、理解する学問または実践のことです。「美食学」・「美食」という言葉よりも広い意味合いを持ちます。
サステナブルガストロノミー: 地域に根ざした食材、環境に配慮した食材の調達や伝統的な調理法を見直し、食材を最大限に活かす料理が注目されています。
ガストロノミーツーリズム: 特定の地域や文化の「食」を主な目的とした観光のことです。環境に配慮した食材の調達や調理法、地元の食材を積極的に活用するレストランの訪問、フードロス削減への取り組み、環境問題、健康問題など、食を取り巻く様々な課題について考え、行動するきっかけになります。
・エシカル食品
倫理的な観点から見て、生産・流通・消費の過程で環境、人や動物、社会全体に配慮された食品のことです。
エシカル食品を選ぶことは、生産者の労働環境や地球環境への配慮につながります。
また、規格外の野菜を意識して購入することでもフードロスを減らす行動の一つになります。
・アップサイクル食品
これまで廃棄されるはずだった食品原料や食材に、新たな価値を加えて生まれた食品のことです。フードロスを削減し、持続可能な食料システムを構築するための重要な取り組みとして注目されています。
例えば、野菜の皮を使ったチップスや、パンの耳を使ったラスクなども該当します。
・フードシェアリングサービス
何もしなければ廃棄されてしまう商品や、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品を消費者のニーズとマッチングさせることでフードロスの発生や無駄を減らす仕組みのことです。
余った食品を企業・個人間で共有したり、飲食店や小売店から安価に購入できるスマホアプリ・サービスなどがあります。
・フードバンク
まだ食べられるのに様々な理由で余ってしまった食品を企業や個人から寄付してもらい、食料を必要としている人や福祉施設などに無償で提供する活動や団体のことです。
・フードドライブ
家庭で余っている食品を学校や職場、地域の公共施設などに持ち寄り、それらをまとめてフードバンクや福祉施設、子ども食堂など、食料を必要としている団体に寄付する活動・取り組みのことです。
・コンポストの普及
家庭菜園を楽しむ層を中心に、生ゴミを堆肥化するコンポストへの関心が高まっています。自分で育てた野菜を無駄なく食べるという循環が生まれています。
以上、大きな取り組みから小さな取り組みまでリストアップしてみました。
フードロス削減のために企業ができることはたくさんありますが、少し意識を変えるだけで大きな貢献になる可能性があります。
個人や家庭でも、まずはごく小さな取り組みとして、買い物前に冷蔵庫をチェックする、食べ残しを工夫して次の料理に活かすなど、身近なことからフードロス削減に貢献してみてはいかがでしょうか。