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日本でのキャッシュレス決済の普及と将来

category : メールマガジン2020 2020.5.31 

全国至るところで、キャッシュレス化の波が押し寄せていることと思いますが、食品を扱う業界であるスーバーやコンビニ、飲食店や小売店も例外ではありません。
皆さんは利用しているでしょうか?
・機械音痴で初期設定や決済操作のハードルが高く抵抗を覚える
・現在の現金支払い方法で満足しているから
などの理由で、全く利用していない方もいるのではないでしょうか?

日本の場合、先進国の中では、普及率はかなり低い方と言わざるを得えません。
主な理由は、
・治安が良く、盗難が少ない(犯罪リスクが低く、現金を持ち歩くことに危険を感じない)
・紙幣の偽造が少ない(現金への信頼性が高い)
・ATMが町のいたるところにある(ATMの普及率が高く、いつでも現金が調達できる)
・現金でも会計時の計算間違いが少ない(レジでの処理が正確で速い)
などが挙げられ、現金決済でも問題はなく、キャッシュレス決済にメリットを感じないと考える方が多いためと言われています。
更に、個人情報を盗まれたり、悪用されるのではないかというセキュリティリスクを懸念する方もいます。

また、決済サービスを導入する店舗側から見た場合、
・支払い端末の機械など導入コストがかかる
・カード会社や支払いサービス会社へ支払う手数料
・オペレーションの負担(支払い端末の操作・レジでの支払い処理が多様になり煩雑)
・決済から資金化までのタイムラグが長い
などデメリットが多く、こちらも普及しない要因にもなっています。

それに対して、普及している海外に目を向けると、
中国:紙幣の偽造が多いため、現金よりもキャッシュレスの方が安全。
スウェーデン:都市が分散しており、特に冬季の現金輸送などに労力やコストがかかる。
韓国:政府主導による、年間クレジットカード利用額の20%所得控除、年商約240万円以上の店舗でのクレジットカード対応の義務化
など、国の情勢にもよりますが、各々普及する要因をもっており、日本とは対照的です。
特に、海外の場合、日本と比較すると犯罪リスクが高い国が多く、キャッシュレスにすることで現金を持ち歩くことによる直接的な盗難の被害に遭うことが少なくなるというメリットも挙げられます。
キャッシュレスの場合も、不正利用などによる被害もありますが、こちらの方がリスクは低いという日本とは考え方の違いもあります。

将来、さらなるキャッシュレス化が普及することになると、お金の流れ(金流)が変化する可能性を秘めています。
さらに、金流が変わると、物の流れ(物流)、商いの流れ(商流)、人の流れ(人流)も組み合わさって、これらもさらに変化していくはずです。
食品関連で言えば、
・スマホによるテイクアウト商品の事前注文や決済
・外食・飲食店などでのテーブル決済
・レシート電子化(ペーパーレス)
・レジの無人化
・高齢者の見守り(食料消費による活動状況の把握、詐欺被害の防止)
これらは、ここ半年ぐらいで、キャッシュレス化の波によって、実証実験や導入している企業も一気に増えてきました。

近い将来、いたるところで無人化されて「レジ」という言葉が死語になっているかもしれないですね。

出典
「キャッシュレス・ビジョン」(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180411001/20180411001-1.pdf

「キャッシュレスの現状及び意義」(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/image_pdf_movie/about_cashless.pdf

「キャッシュレス・ロードマップ 2019」(一般社団法人キャッシュレス推進協議会)
https://www.paymentsjapan.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/04/Cashless_Roadmap_2019.pdf

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