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ドーピングとサプリメント

category : メールマガジン2016 2016.11.30 

『ドーピングとサプリメント』 

リオ五輪からもうすでに3か月経過し、あの熱気からようやく寒さを感じる季節となりました。
今大会では日本人選手の活躍もあり、大いに盛りあがりましたので、4年後の東京五輪が今から楽しみです。
今のところ経費や競技場所の面で色々揉めているようですが、なんとか調整していただき、滞りなく準備を進めてもらいたいと思います。

リオ五輪では日本人としては盛り上がったものの、記録更新の面においてはいささか盛り上がりに欠けた大会のように感じました。
明らかに記録更新が少なかったのですが、その背景にはドーピング検査が厳しくなったため、記録が伸び悩んだのではないかと思われます。
(一部では残念ながら今回もドーピング検査にひっかかる選手もいました。)
とはいえ、中には男子400mのように記録更新された競技もあります。
あのマイケル・ジョンソンの大記録が破られるとは思いもよらなかったので、大騒ぎとなりました。

昨今、このオリンピックで問題となるドーピングについては、その技術は巧妙化しているため、検出するのが難しくなってきています。
しかしながら、世界アンチドーピング連盟(WADA)も手をこまねいているわけではありません。
抜き打ち検査の導入や検査回数の増加、また過去に保存しておいた尿・血液サンプルを再検査し、違反者のメダルを過去に遡って取り上げるなどしております。
今後もドーピング検査はより厳しくなっていくのは間違いないと思われますが、別の側面から見ると不意都合な点も見られるようになってきました。
体によいとするサプリメントから禁止薬物が検出されるケースが出ているからです。
これにより、今まで大丈夫だった食品をアスリートがうっかり摂取し、ドーピング検査にひっかかるという事態も想定しなければならなくなりました。
特に漢方薬やサプリメントのように、昔から体に良いとされる成分が濃縮配合されているものは、摂取する際より注意が必要になってくるでしょう。
自然界の中にある、体に有効な物質の化学式を特定し、その有効成分を濃縮生成することで効率よく摂取できるように作ったのがドーピング薬物でもありますので、検査技術の発達いかんによっては、漢方薬やサプリメントとの線引きが難しくなってくると思われます。
本人が意図して摂取したわけではないのに、ドーピング検査でひっかかっては折角の努力が水の泡となりますので、アスリートたちは食べるものにより注意を払ってもらい、4年後を迎えてほしいと思います。

参考文献
「ドーピング スポーツの底辺に広がる恐怖の薬物」
「禁断の肉体改造」ホセ・カンセコ著
「フランケンシュタインの誘惑 科学史闇の事件簿 汚れた金メダル国家ドーピング計画」NHK

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