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食品リコールの届出義務化について

category : メールマガジン2021 2021.4.30 

桜が見頃の季節となりましたが、コロナ禍でお花見に出かけられなかった方も多いのではないでしょうか。
新年度のスタートになります。新たな気持ちで生活を送りたいものです。

平成30年に食品衛生法及び食品表示法が改正され、本年6月1日から食品等に関わる事業者が食品等の自主回収(リコール)を行う場合、食品衛生法及び食品表示法に基づき、リコール情報を行政に届け出ることが義務化されます。
事業者が食品等のリコール事案や回収状況を届け出る時には、食品衛生申請等システムの「食品等自主回収情報管理機能」を利用して届出を行い、届出のあったリコール情報は食品衛生申請等システムから確認できるようになります。
食品のリコールは、食品衛生法や食品表示法といった関連法令に基づいて行政から回収命令が下される場合と、食品メーカーなどの製造事業者が自主的に行う自主回収の2種類あります。
件数では自主回収の方が法令に基づく回収より圧倒的に多く、行政が把握できるのは法令に基づく回収と、自治体により条例などで自主回収の報告義務を定めている場合になります。
報告制度を定めている自治体は全体の約8割で、残り2割は報告制度がないため、これまで行政による食品事故情報の把握が不十分でした。

「一般財団法人 食品産業センター 食品事故情報告知ネット」による食品企業が公表した食品事故情報やその整理・分析結果では、2020年の事故情報の状況は、年間総件数717件で、2019年の747件よりも30件減(前年比96.0%)となっています。品目別には、最も多いのは「弁当・惣菜」の185件で、前年よりも18件の増加です。発生割合は25.8%で、これまで11年間(2009年~2019年)最多であった「菓子」を初めて上回っています。
次いで件数が多かったのは「菓子」で169件(23.6%)、次いで「肉製品」51件(7.1%)です。
告知理由別では「不適切な表示/アレルゲン」が234件(32.6%)と最多で、昨年の223件(29.9%)から11件の増加となっています。
次いで「期限表示の誤記(不適切な表示)/設定期限を超えて誤記」が112件(15.6%)で前年の115件(15.4%)から3件の減(前年比97.4%)となっています。
さらに「微生物及び化学物質の混入(微生物の増殖を含む)/カビ、酵母等の微生物」が92件(12.8%)で前年の83件(11.1%)から9件の増加、「表示関連以外の法令違反(その恐れを含む)」が63件(8.8%)、「品質不良(殺菌不十分、変色、風味変化などの不良品)」が42件(5.9%)、「異物(夾雑物を含む)の混入/ガラス片や金属等硬質異物」が36件(5.0%)となっています。

また、本年3月17日に、食品表示基準Q&Aが一部改正され、食品表示基準に違反する食品表示の修正方法について、(加工-274)に以下の文言が追加されました。

なお、本来、誤った表示の上から適正な表示を貼付することにより明確に修正することが望ましいですが、令和3年3月17日から、食品ロスの削減を推進する観点から、適正な表示を記載したポップシール又はネックリンガーを容器包装の任意の場所に貼付又は配置することによる簡便な表示修正を認める運用を始めることとします。ただし、当分の間、当該修正方法は、安全性に係る表示事項(※)についての修正には認められません。本運用状況については、今後検証を行っていく考えです。また、消費者に誤認を与えない誤字、脱字等の表示ミスについては、食品ロスの削減を推進する観点から、安易に自主回収を行わないことが求められます。
※ 食品表示法第六条第八項に規定するアレルゲン、消費期限、食品を安全に摂取するために加熱を要するかどうかの別その他の食品を摂取する際の安全性に重要な影響を及ぼす事項等を定める内閣府令(平成27年内閣府令第11号)第1条各号に掲げる事項を指します。

食品表示基準Q&Aについて 第2章 加工食品
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms101_210317_08.pdf

食品表示法に違反するものについて回収された製品は、廃棄することのないように簡便な修正で対応する方向のようです。

今回の法改正により、自主回収する場合の届出は法制化されましたが、自主回収自体を判断する主体は事業者にあることになっています。
そのため、事業者の判断によっては、事故につながる恐れがあるのではないかと思います。
なお、食品衛生法、食品表示法ともに 営業者が届出をせず、又は虚偽の届出をした場合は、罰則(50万円以下の罰金)の対象になります。

参考
一般財団法人 食品産業センター 食品事故情報告知ネット
https://kokuchi.shokusan.or.jp/

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