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よくある原材料名の間違いについて

category : メールマガジン2020 2020.11.30 

残すところ今年もあと2か月弱となりました。
今年は前半からコロナウイルスの影響により子供たちの臨時休校や季節行事の中止などで普段より月日が過ぎるのを早く感じました。
インフルエンザとの同時流行が懸念されています、いつも以上に体調管理に気をつけて冬を乗り切りましょう。

規格書を精査したり、食品表示を作成する時に出会った事で記憶に残っているものを問題にアレンジしてみました。
間違いもありますが、正解のものもあります。
正解の問題はなぜ正解なのか理由も考えてみてください。


問1
<原材料名>全卵(国内製造)、小麦粉、砂糖、オリゴ糖、粉末油脂/乳化剤、V.C、(一部に小麦・卵・大豆を含む)


問2
<原材料名>豚肉(アメリカ産)、豚脂、でん粉、食塩、香辛料/調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、発色剤(亜硫酸塩)、(一部に大豆・豚肉を含む)


問3
<原材料名>小麦粉(国内製造)、砂糖、チョコレート、アーモンドパウダー/香料、乳化剤(大豆を含む)、カゼインNa(乳由来)


問4
<原材料名>ナチュラルチーズ、牛乳、アップルプレザーブ、粉末寒天/香料、着色料(赤2)、安定剤(増粘多糖類、HPMC、MC)、酸化防止剤(V.C)、(一部に乳成分・りんごを含む)


問5
<原材料名>人参(国産)、ごぼう、こんにゃく、れんこん、砂糖、醤油/調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、凝固剤、香料、(一部に小麦・大豆を含む)


 


























 

問1(答え)×
「全卵(国内製造)」が間違いです。
加工品である液卵を使用している場合は、「液全卵(国内製造)」や「液卵(国内製造)」となります。
生鮮品である全卵を使用している場合は、「全卵(国産)」などとなります。

問2(答え)×
「発色剤(亜硫酸塩)」が間違いです。
正しくは「発色剤(亜硝酸塩)」となります。
「亜硫酸塩」の用途は漂白剤、保存料、酸化防止剤です。
規格書などでも、こちらの誤字は時々見受けられます。

問3(答え)○
間違っている箇所はありません。
「乳化剤(大豆を含む)」ではなく「乳化剤(大豆由来)」が正解だと考えた方もいるかと思いますが、この場合は乳化剤に含まれるAの物質より特定原材料を含むBの物質の方が微量と考え、「乳化剤(大豆を含む)」と表示していると読み取ります。
詳細は食品表示基準Q&A 別添 アレルゲンを含む食品に関する表示 P.26(E-1)をご参照ください
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/pdf/food_labeling_cms101_200716_12.pdf#page=26

問4(答え)×
「安定剤(MC)」が間違いです。
正しくは「安定剤(メチルセルロース)」になります。
MCはメチルセルロースの通称で、法的な名称ではないため表示に使用することが出来ません。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースがHPMCの簡略名で表示出来るため、メチルセルロースもMCと表示出来ると思いがちですがメチルセルロースには簡略名がありません。
用途名と本品名を併記する決まりになっています。

問5(答え)×
「凝固剤」が間違いです。
凝固剤の一括名で表示が出来るのは、豆腐用凝固剤としての目的で使用するときに限られます。
今回の場合は、こんにゃくに含まれる添加物を凝固剤と表示していることになるため、凝固剤を表示したい場合、例えば水酸化Caなら「水酸化Ca(こんにゃく用凝固剤)」の表示となります。

今回は、食品表示の原材料名だけを問題にしてみました。
いかがでしたか?食品表示に携わっている方なら、簡単な問題だったでしょうか?
また機会がありましたら、日々の業務上の経験から基づく問題を提案したいと思います。
*上記は2020年10月末現在の食品表示基準に基づいた内容です。

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