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コロナ禍における食品の統計を分析しました

category : メールマガジン2020 2020.10.31 

激動とも言える2020年も残り少なくなって来ました。
今後数年先、数十年先においても、「2020年はどんな年だったか?」と聞かれたら、
多くの人は「コロナウイルスの年」と回答するのでは無いでしょうか。
私もお客様と雑談を行うと、まずは「御社のコロナウイルスの影響はいかがですか?」から
始まるのが定番となっております。
まだまだ、完全終息の見通しが見られず、今後も、来年も、大きな影響があるかと思いますが、
現状までの食におけるコロナウイルスの影響を総務省の出している統計のデータから
読み取って行きたいと思います。
今回は二人以上の家計消費支出のデータから、食品に係るものをピックアップして
見ていきたいと思っております。
(※今後出てくるデータは2020年3月~7月の数字を独自で計算した数値になります。)

まずは消費支出の平均は前年同月平均‐7.6%と大きなマイナスが見られます。
但し、実収入は給付金の影響も有ってか、7.4%の伸びが見られ、
収入と支出には大きな開きが見られました。これらは先行き不透明感から
差額分を「預貯金」に回すことも考えられますが、「今後の支出になる資金」とも
考えられるので、コロナ禍の買い控えから反動の消費意欲向上につながる可能性も
有るかも知れません。
又、興味深いデータとして「実収入の増加分」と近い金額の増加が「配偶者の収入増加:7.6%」
というものが有り、実収入として伸びているのはこの分で有るとも言えるかと思われます。

〇食料支出全体 -3.8%

〇コロナ禍で消費支出が増えた食品群Best5(2020年3月~7月平均)
1位 他の穀類(米、パン、麺以外の穀類) 26.1%
2位 麺 21.7%
3位 酒類 16.4%
4位 生鮮肉 15.7%
5位 卵 15.1%
その他、乳製品、果物加工品、油脂・調味料などが10%以上の伸びを記録しておりました。

〇コロナ禍で消費支出が減った食品群(2020年3月~7月平均)
・パン -3.6%
・生鮮果物 -0.7%
・菓子類 -7.1%
・主食的調理食品 -1.9%

※参考
・一般外食 -44.4%
・学校給食 -27.9%(7月のみ前年比プラスです)

というように食品の代表的なデータをピックアップしてみましたが、これでわかるのは
俗に言う「巣ごもり消費」というトレンドの中味がはっきり出ているのでは無いかという点です。

支出増の1位【他の穀類】は逼迫してニュースにもなりましたホットケーキミックスなどが、
代表としてあげられるかと思いますが、家庭での調理機会増が顕著に見られる例かと思われます。
その他、【生鮮肉】や【卵】といった所も、料理の材料として支出が増大した食品と言えると思われます。
そしてこれは、支出が減った食品群からも読み取ることが出来て、
【パン】や、【菓子類】、【主食的調理品】など、「料理せずに食べる事が出来るもの」
コロナ禍ではマイナスに働いたと言えると思われます。
ということで、ステイホーム等の時間が有るのならば、「家庭で調理・料理する需要は有る」
と言えるのでは無いでしょうか。

しかしここでコロナ後を考えた時に大きな問題があります。
最初の方で記載させて頂いたように、「配偶者の収入増加」という傾向が
ここ最近見られます。これは所謂、主婦(夫)層の社会進出、働きに出る人の増加を
意味することになるかと思うのですが、ここが増加するということは、
どうしても料理する時間が取れなくなることを意味するかと思われます。
コロナ禍でクッキング需要が出来たのに、それをする時間が取れないという
ギャップが生まれてしまいます。
そこから考えられるキーワードとしては「時短調理」では無いでしょうか。
「時短」で出来る電子レンジ調理などがますます盛んになるかも知れません。
もう一つ、コロナ時のクッキング需要の一環として、今までやっていない
手作りパンや手作りお菓子など、「こだわった手作り料理」の需要増が有りました。
しかし上記するようにコロナ後は時間が取れない・・・ということで
ここからは勝手に流行予想なのですが、手間が掛からず、かつこだわりも込められる…
そして、今の世の中のブーム・流れも取り入れている食品…
そんな食品として、私が予想するのは

「ぬか漬け(自家製)」
「手作りヨーグルト」

1日1回少しの手間をかけるだけで、「本格」「こだわり」「オンリーワン(自家製という意味で)」
でかつ最近主流となっている「発酵」というキーワードにも合致する。
「この2つの食品がアフターコロナで流行する。」と勝手に予測を立てております。

参考にしたデータ以外にも、即席めんやチーズ、調理冷凍食品、チューハイなどの大幅増等
その他食品以外のデータも含めて、総務省の統計データからは多くの事柄が読み取ることが可能です。
このメールマガジンが配布される頃には【2020年8月分の消費統計データ】が発表されている頃かと
思いますので、是非参考にして頂ければ幸いかと思われます。

参考データ
総務省統計局
家計調査(二人以上の世帯)2020年(令和2年)7月分
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html
他の月はリンク先より参照して下さい。

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