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日本の農産物生産量

category : メールマガジン2014 2014.1.1 

TPPが騒がれている現在、農業分野がもっとも弊害となる分野と言
われております。
TPPが締結されると日本の農業は壊滅すると、農業関係者はさかん
に危機感を煽っておりますが、果たしてそんなに日本の農業は弱い
ものなのでしょうか。
店頭を見渡すと生鮮野菜や果物は国産ばかりであることに気付きま
す。
その為、これらの訴えには正直言って疑問を感じざるをえません。
そんな疑問から、どれだけの量の農産物を日本人が作っているのか
調べてみることにしました。

日本人の基本の穀物でもあるコメは、カンボジアについで世界12位
の生産量を誇っていることがわかりました。(2011年生産量:FAOS
TATより抜粋)
しかし、それ以外の小麦や大豆となると、ほとんど話にならない生
産量です。
これでは確かに、カロリーベースでの食糧自給率が低いことは無理
からぬことだと思います。

しかし、他の農産物の生産量を調べると、なかなか面白いことがわ
かります。
とりあえず世界10位までにランクインしている野菜を列挙してみま
した。

アスパラガス 9位
人参     9位
きゅうり   9位
ナス     8位
レタス類   6位
キャベツ類  6位
ほうれん草  3位
ねぎ類    2位
(2011年生産量:FAOSTATより抜粋)

ほとんどの野菜の生産量1位の国は中国ですが、日本もなかなか健闘
していることがわかります。
また、日本の農産物はそのほとんどが輸出されておりませんので、
この生産量=日本の消費量と考えても問題はないでしょう。
しかし、一番驚いたのねぎの生産量です。
あの中国についでの堂々の世界2位の生産量を獲得しています。
主役とはなりえない食材を日本人がけっこう消費しているあたりに、
いかにも日本人らしいこだわりを感じます。

また、果物も調べてみました。

りんご   19位
杏     10位
梨     10位
キウイ    9位
イチゴ    7位
みかん類   4位
柿      3位
(2011年生産量:FAOSTATより抜粋)

こちらも、なかなか健闘しているほうだと思います。
野菜もそうでしたが、20位まで下げるともっと多くの品目が入って
きます。
面白いのが先進国で比較すると、アメリカは別格としても、生産量
の10位以内にバランスよくランクインしている国は日本以外ないと
いうことです。
単に穀物の生産量が低く、そういった関係者からのイメージ操作も
あるため「農業小国」のように思われがちですが、日本は立派な
「農業大国」と言えるのではないでしょうか。
今回のTPPでは日本のコメ、小麦、砂糖を守るために、こられの野菜
や果物の関税を下げることが検討されています。
保護される農家と保護されない農家の差が、これほど露骨にでるケ
ースはありません、そして皮肉なことに、保護されない農家の作る
農産物のほうが、潜在的な国際競争力を持っている、ということで
す。
予算も限られておりますので、伸ばす分野と、切り捨てる分野を考
えていかなければ、まずます日本の農業は立ち遅れていくでしょう。
公平な政治判断を期待していところです。

参考HP
FAOSTAT(国連食糧農業機関統計データベース)
http://faostat.fao.org/

参考文献
「日本は世界5位の農業大国
著者:浅川 芳裕
会社名:講談社

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