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目は口ほどに美味いと言う

category : メールマガジン2023 2023.11.30 

季節が変わり体調を崩されてはいないでしょうか?
日が落ちる時間も早くなり、夕焼け色が新鮮な時期となりました。

さて、スーパーなどでたまねぎが赤色のネットに包まれているのを見たことがあると思います。
このネットが青色だったら、皆さんはどのように見えると思いますか?

目の錯覚のような現象で「色相の同化現象」というものがあります。
これは二つの異なる色が隣り合ったときに、双方の色がその隣り合う色に近づいて見えるという現象です。
(ストライプ柄やメッシュ柄でとくに起こりやすい現象)
例えば、黄色と赤色の縞模様をAとします。黄色と青色の縞模様をBとします。
AとBどちらも同じ黄色だとしても、Aの黄色は赤っぽい黄色に見え、Bの黄色は青っぽい黄色に見えてしまいます。

この現象により、赤色のネットで包まれているたまねぎは赤色に近い色に見え、美味しそうに見えます。
もし青色のネットに包まれていたら、青っぽい色のたまねぎに見え違和感を感じるのではないでしょうか?
この他には、オクラなどは青や緑色のネットに包まれていて瑞々しく見えます。
他にも食品に関することで、色による様々な効果や現象の例を参考文献より一部まとめてみました。

●感情効果・・・色を通して受ける様々な心理的影響

「綺麗」「くすんでいる」などは、個人の好みによって異なる感覚で情緒感情と呼ばれます。
対して「熱い」「冷たい」などは、万国共通で多くの人が同じように持つ感覚で知覚感情と呼ばれます。
赤色を見ると無意識に火を、青色を見ると無意識に水を連想しています。これは大昔からの人類の記憶が、本能に引き継がれている為と言われており
飲料自販機などの「あたたかい」は赤色で、「つめたい」は青色で表記されているのも、この感情効果によるものとされています。

●補色残像・・・ある色をじっと見た後に他の場所に目を移すと、実際にはない別の色がぼんやりと見える現象

例として、手術中に血液を見続けることで目を移した先に青緑色がちらついてしまう為
手術着や手術室の壁の色を薄い青緑色にしている、という話を聞いたことがあると思います。
スーパーなどで青色のパッケージの牛乳パックを見かけると思いますが、こちらも補色残像が利用されています。
青色の補色である黄色がうっすら残像として見えることで、牛乳をよりクリーミーに感じられるからと言われています。

●明度対比・・・周囲の色の明度が影響して、本来の色の明度が変わって見える現象

白い服よりも黒い服の方がより肌が明るく引き締まって見えるように
料理に関しても、お皿やランチョンマットを工夫することでより料理自体がはっきりと見えます。
明暗差があるほどこの効果が顕著に見られ、黒いお茶碗などが分かりやすく、お米の白さ・明るさが強調されます。

参考文献『すごすぎる色の図鑑』 著:ingectar-e
参考文献『スピード合格!カラーコーディネーター【スタンダードクラス】テキスト&問題集』 著:垣田 玲子

いかがだったでしょうか?「あたたかい」「つめたい」の表記が色分けされている理由に合点がいきました。
もし、その色が入れ替わっていたら、間違って購入してしまう方も多いかもしれません。
他にも身近なところで色による効果や現象が使われていると思うので、商品パッケージやポスター、メニュー表などをじっくり観察してみようと思います。
また、世間的には黒や青色は食欲を減退させる色などと言われていたりしますが、イカスミパスタは黒いからこそ美味しそうに見えますし、かき氷などのポスターは青色が使われていて涼しさを感じられます。
個人的には、知っている見た目からあまりにもかけ離れていることで違和感を感じてしまうだけであり、工夫さえすれば、どのような色でも取り入れることができるのではないでしょうか?

私は普段牛丼を好んでよく食べるのですが紅生姜を多めに使っていて、無意識に彩りを加えて食欲をかきたたせていたのかもしれません。
また好みにもよると思いますが、冷奴であれば生姜よりわさびの方が、ごま豆腐であればわさびよりも酢味噌の方がメリハリがついたように感じました。
色の見え方は個人差や年齢差、地域差があり、何が正しいなど決定づけるものではありませんが、人は味わうよりも先に目で状態や色を見ることで、味を想像しおいしさを判断しています。
色も食欲をかきたてる重要な要素です。彩り豊かな料理であれば見た目も美しく味わいを一層引き立たせてくれますので、意識して盛り付け方や食器選びを楽しんでみてはいかがでしょうか?

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