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様々な食品ロス対策

category : メールマガジン2020 2020.2.29 

インフルエンザが流行しています。手洗いの励行と咳エチケットなどの予防をしっかりして
体調を崩さない様に注意してください。

さて、2020年も早2月となり節分の季節がやってきました。
節分は「季節を分ける」という意味があり、四季のある日本にとって素敵な季節行事の一つです。
節分のシーズンではコンビニや食品スーパーなどで「恵方巻」が販売されますが、近年食品ロス問題の商材としても頻繁に取り上げられるようになりました。

農林水産省は、食品ロス削減推進法を踏まえて予約販売等の季節食品の需要に見合った販売を食品小売業者に呼びかけるなどし、季節食品のロス削減活動に注力しています。
今年の新たな取り組みとして、恵方巻のロス削減に賛同する26事業者名を公表し、併せてロス削減の取り組みをPRする資料を提供しています。取り組みの内容としては「予約販売の強化」「製造・販売計画の工夫」「サイズ・メニュー構成の工夫」「当日のオペレーションの工夫」などが挙げられます。同省は引き続き協力事業者の募集を呼び掛け恵方巻のロス削減への強化を進めていく方針です。

しかし、食品ロスの約半分は家庭から発生しているとされており、事業者だけでなく個人消費者が食品ロスの現状やその削減の必要性について理解し取り組むことが求められています。
消費者庁では、具体的に「必要な量を購入」し「食べきる」ことを推奨しており期限表示(賞味期限・消費期限)の理解促進や余った食材を用いたレシピの提供等の資料を集成し個人消費者への食品ロス対策案を提示しています。

日本では「食品ロス」にまとめられていますが、さらに「食料ロス」と「食料廃棄」に細かく分けられます。
食料ロスは食品サプライチェーン(原材料の調達から消費者のもとに届くまでのプロセスを指す)の川上で発生することが多いとされており、例えば店頭に並ばない規格外品や加工過程で不要となった食材・食品原料などがこれに含まれます。
食料廃棄は食品サプライチェーンのより川下である小売りや消費段階での発生が多く、調理品の売れ残りや期限切れの商品・食べ残しなどが該当します。先進国ではこのサプライチェーンの川下の食料廃棄が多いとされ、この問題の早期解決が課題となっています。
そんな中、近年注目を集めつつあるのがフードシェアリングと呼ばれるサービスです。フードシェアリングとは小売店や飲食店と消費者をスマートフォンアプリ等を使ってマッチングし、上記の食品サプライチェーンの川下のような飲食可能でありながら廃棄されてしまう可能性の高い調理品や食料を提供するサービスです。
欧州を中心とする諸外国では2015年あたりからサービスが普及し始めているそうです。
調べてみると日本でも少しずつそのエリアを拡大しているものがありましたので軽くまとめてみました。

・Reduce Go
…周辺の飲食店や小売店の余った食品を月額1,980円で月2回までテイクアウトできるサービス。
東京都内を中心に関東・名古屋にエリア拡大中。現在加盟店数は213店。

・Food Passport
…飲食店の余った食材を使ったお任せメニューを月額980円で、1日1店舗、月10回まで食べられるサービス。
現在関西圏(近畿2府4県)と関東圏(1都3県)を中心に1,000店舗以上の加盟店があり今後は中部・九州に対応予定。

・Tabete(タベテ)
…発注ミスや雨で客足が少ないなどで売れ残った商品を割り引いてテイクアウトできるサービス
16万人ユーザーと飲食店を中心とした約330店に登録されており、累計で約1万1千食の食品ロス削減に成功している。
東京・名古屋・東海・北陸へと展開エリアを拡大中。

従来の食料廃棄の対策として、小売業店頭などでの見切り品や時間による値引きなども効果的な取り組みではありますがフードシェアリングサービスには、店舗側は来店している顧客以外にも広く即時的な告知ができ、個人消費者にとってはお得な食材が手に入る手段が広がるというメリットにもなり今後の展開に大いに期待ができるサービスです。
中でも「Tabete(タベテ)」を運営している株式会社コークッキングは、JR東日本スタートアップ株式会社のプログラムの一環として東京駅改札内の「グランスタ」などのエキナカ店舗営業終了後に実証実験を行っており、個人的に非常に注目しています。
内容は、閉店後の各店舗からその日に販売しきれなかった商品をまとめて「レスキュークルー」が回収と買い取りを行い休憩室にて袋詰めをし、それを駅従業員が気に入った場合に購入するといったものです。同施設内においての食料廃棄と食事需要のバランスを測る結果が楽しみです。
今年の7月からはレジ袋有料化も実施されます。食材を「購入」「消費」するにあたって、より計画的に行わなければなりません。
上記のような政府の啓発資料を参考にしたりサービスを活用するなど、個人でできる食品ロス対策は身近にあります。
環境にも家計にも優しいのでぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。


季節食品のロス削減取り組みについて(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/161227_4-134.pdf

食品ロス削減関係参考資料(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/efforts/pdf/efforts_190711_0001.pdf

株式会社コークッキングの実証実験概要
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000017141.html

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