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天使の取り分

category : メールマガジン2015 2015.6.10 

さて、気温の高い日々が多くなってきました。
今年の夏は暑いのか?梅雨はどうなのか?tenki.jpによると
2015年の夏は東日本の方が西日本より暑くなる予想のようです。
東北や北海道は例年並みとのことです。
まあ、あくまで予想ですのでほどほどに過ごしやすいといいので
すが・・・
今年の梅雨はゲリラ豪雨に注意だそうです。
豪雨になると交通網が麻痺する可能性が出てくるので困ったもの
です。

さて、最近の若者はお酒が飲めないといった話をよく聞きますが、
お酒は随分と昔から世界各地で発祥した飲料で、人類だけではな
く、動物、鳥類、昆虫などもその香りに誘われ、効能に酔いしれ
るというものです。

お酒の歴史は有史以前からあるようですが、醸造技術の発達によ
って、「意図的に発生させること」が安定してコントロールでき
るようになったのが、19世紀の酵母の純粋培養技術をはじめとし
た科学技術の利用によるものだそうで、
缶やビン詰め製法の確立等の流通形態の改革、また、運輸・貯蔵
技術の発達等にともなって、安価かつ大量に供給が可能となった
そうです。
なお、日本の醸造技術が現在の製法に近い形になったのは約500
前との資料がありました。

そんなお酒ですが、大きく分けると3種類に分類されるそうです。
・醸造酒
・蒸留酒
・混成酒
の3種類ですが、上の2つはよく耳にするお酒ですね。
いわゆるワインなどは醸造酒でブランデーなどが蒸留酒です。
混成種というのは蒸留酒などをベースとした香りや味、色素を加
えたお酒の事です。
いわゆる梅酒などが該当するようです。

さて、ここでお酒というのは造るのに許可が必要だというのは当
たり前の話で、安全性の確保を含めお酒の製造行為が法律で守ら
れており、
近代国家の成立におけるお酒というのは多くの国家で課税対象と
されています。
日本においても酒類製造許可が無い場合はアルコール分1%以上
を含む酒類の製造が法律により原則禁止されております。

原則禁止という点で自家製梅酒の存在があります。
また、農業学校での酒類製造も学問としての製造という扱いで認
められているそうです。
カクテルなど、酒類に水以外のものを混和する行為も酒類製造
(混成酒類製造)とされますが、
家庭や飲食店で酒に消費の直前に酒を混ぜる場合は例外として認
められています。
2008年4月30日から、一定の要件の下に、免許がなくとも旅館や
飲食店等も梅酒等が出せる特例措置が設けられているそうです。

この時期自宅で梅干しや梅酒を漬けられる方も多いかと思います。
ぜひおいしいモノになるよう願いを込めて漬けていただきたいと
思います。

ところで、お酒に接していると「天使の取り分」というものに遭
遇することがあります。
これは、ボトルキープをした時に・・・お店の方が・・・
こっそり・・・・・・
ではなく、製造工程で熟成を要する酒類において、
「熟成中に水分・アルコール分が蒸発し、最終的な製造量が目減
りする」
ことを言います。
けっしてお店の方が・・・ではないのです。

一種の歩留りというものになりますが、やはり木製樽での長期熟
成は、水分やアルコール分が蒸気となって少しずつ樽からしみ出
ていくそうです。
また、温度の高い、湿度が低い条件下であるほど蒸発は多くなっ
てしまうそうです。
Wikipediaによると1年の熟成で1~3%も減少してしまうようです。
一説によると、コニャックの原産地であるフランスのコニャック
地方では、一日にボトル2万本にも及ぶ量の「天使の取り分」が
発生している という記載もありました。

このような損失を「天使の取り分」と名付けるところに先人たち
の心意気を感じますね。
くれぐれも飲み過ぎに注意ですが、本日もおいしいお酒に出会い
たいですね。

ぜひ若い世代の方も星の数ほどあるお酒の中から自分に合うものを
見つけていただきたいと思います。

参考:
https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9204/9204_yomoyama.pdf
変わり行く日本酒@広常 正人

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